プロテインって何を基準に選べば良いの?
ソイとかホエイとか…結局どのプロテインが効果が高いの?
女性に最適なプロテインって?女性用を選べば良いの?
こんな方に向けた記事です。
プロテインの種類は非常に多く、特に筋トレ初心者の方はどのプロテインを選べばいいのかさっぱりだと思います。
「あのモデルが愛用しているから」「あの有名人が監修しているから」こういった理由でプロテインを選ぶのはおすすめしません。
この記事ではフィジーク大会優勝経験のある管理人が、プロテインの種類や選び方について、初心者の方にもわかりやすく解説いたします。
そもそもプロテインって何?
「プロテイン(Protein)」という単語は「タンパク質」という意味です。
一般的にプロテインと呼ばれているのは、「プロテインパウダー」と呼ばれるサプリメントのことです。
プロテインパウダーはたんぱく質を手軽に摂取することを目的としたサプリメントです。
1日に必要なたんぱく質は一般の方で体重1kgあたり0.8g、筋トレをしている人は体重あたり2gほど必要といわれています。
体重50kgの人の場合、筋トレをしていると1日に100gのたんぱく質が必要になります。
たんぱく質100gを食事だけで摂取しようとすると、卵なら約15個、鶏むね肉やささみなら500gほど食べる必要があります。
それほどの食事を毎日続けるのは大変なので、「食事で不足するタンパク質をプロテインパウダーで補う」というのが、プロテインパウダーの本来の利用目的です。
プロテインを飲むと筋肉がつくんじゃないの?
こう思われている方はいまだに多いです。
プロテインはタンパク質をパウダー状にしただけのサプリメントです。
筋肉がつく魔法の成分が入っているわけではなく、本質的には「脂質が少ない肉」を食べているのと変わりません。
「プロテインを飲むだけで筋肉がつく!」というのは、「肉を食べるだけで筋肉がつく!」って言っているのと同じです。
むしろ筋トレ業界ではプロテインからタンパク質を摂取するより、肉や魚などの食事からたんぱく質を摂取した方が筋肉がつきやすいというのがセオリーになっています。
プロテインは筋肉がつく魔法のサプリメントではなく、「ただのタンパク質」であることを理解しましょう。
プロテインの種類
プロテインは原材料ごとにたくさんの種類に分類されています。
分類 | 名称 | 原材料 | 消化速度 |
動物性 | ホエイプロテイン | 乳清 | 1時間前後 |
カゼインプロテイン | 牛乳 | 6~8時間 | |
エッグプロテイン | 卵白 | 1~2時間 | |
ビーフプロテイン | 牛肉 | 4~6時間 | |
植物性 | ソイプロテイン | 大豆 | 5~7時間 |
他にもインゲン豆を原材料とした「ピープロテイン」や、お米を原料とした「ライスプロテイン」など、様々な種類があります。
で、結局どれを選んだらいいの?という話ですが、基本的にはホエイプロテイン一択です。
その理由としては、数あるプロテインの中でもホエイプロテインが最も安価で美味しいものが多く、短時間での筋タンパク合成率が高いからです。
ホエイを含む3種類のプロテイン(ホエイ、カゼイン、ソイ)で、プロテインを摂取してから3時間後の筋肉のタンパク質合成率の比較をした実験があります。
グラフからわかる通り、短時間におけるホエイプロテインの筋タンパク合成率はダントツです。
また、ホエイプロテインは原材料が安価であることから、商品のラインナップが多く、美味しい商品がたくさんあります。
乳製品アレルギー等、飲めない理由がある場合を除いて、基本的にはホエイプロテインを選ぶことをおすすめします。
ホエイプロテインの種類
ホエイプロテインは乳清(※)を原材料としたプロテインですが、その製造方法から更に種類が分類されています。
※ヨーグルトの上澄み液が乳清(ホエイ)です。
ホエイの種類① WPC
正式名称:ホエイプロテインコンセントレート
ホエイタンパクをフィルター膜でろ過する製法で作られるプロテインで、最も一般的なホエイプロテインです。(市場に出回っているホエイプロテインのほとんどがこれにあたります。)
ホエイプロテインの中では最も安価ですが、乳糖や脂質の除去率は一番低く、乳糖不耐性の方はお腹の調子が悪くなる可能性があります。(乳糖不耐性については後ほど解説します)
ホエイの種類② WPI
正式名称:ホエイプロテインアイソレート
WPC製法で作られたタンパク質をさらにイオン交換して作られるため、タンパク質以外の成分がほとんど除去された高純度のホエイプロテインです。
WPIにはイオン交換法とCFM製法があり、CFM製法と表記のあるプロテインはWPIに該当します。
WPIはWPCよりも糖質や脂質が少なくなっており、タンパク質含有量が高いのが特徴ですが、その分WPCより値段が高めです。
ホエイの種類③ WPH
正式名称:ホエイプロテインハイドロライズド
加水分解で乳糖を極限まで除去した製法で作られたホエイプロテインで、ホエイペプチドとも呼ばれることがあります。
精製段階でペプチド状にまで分解するため、消化吸収は最も早く、ホエイの中では一番上質な種類になりますが、その分ホエイの中では最も高価です。
どの種類が最適か
どの種類のホエイプロテインが良いの?
どの種類にも良し悪しはあるので、どの種類が最適かどうかは購入者が何を重視するかによります。
- コスト重視 → WPC
- コストと品質のバランス重視 → WPI
- 品質重視 → WPH
「何を重視すればいいのかもわからない」という方は、WPCを選べば間違いありません。
理由としては、安価で美味しいものが多いからです。
ただし、牛乳でお腹の調子が悪くなる体質の方はWPCを避けた方が賢明です。ここについては後ほど詳しく解説します。
女性用プロテインってどうなの?
女性用プロテイン、減量用プロテイン、増量用プロテイン、と様々な名称のプロテインがありますが、プロテインに○○用は存在しません。
プロテインの目的はあくまで「タンパク質の摂取」です。
減量用プロテインを摂ったからといって痩せるわけではありませんし、女性用プロテインを摂ったからといって女性らしい身体にはなりません。
○○用プロテインというのは、「減量用鶏むね肉」「女性用牛もも肉」と言ってるのと同じです。
じゃあなんで、女性用とか減量用って名前がついてるの?
「○○用」と銘打った方が売れるからです。
「○○用」という名称をつけた方が、プロテインに関して無知な消費者が商品を手に取りやすいので「○○用」と銘打っているのです。
ではどういった基準で、「○○用」と称しているのか、その理由をそれぞれ解説します。
女性用プロテインと称されているものはソイプロテインであるケースが多いです。
これはソイ(大豆)に含まれる「イソフラボン」が女性ホルモンと似た働きをするからです。
プロテインと一緒にイソフラボンを取る必要はありませんし、他のプロテインと比較して、ソイプロテインが女性に効果的であるという科学的根拠は一切ありません。
減量プロテインと称されているものもソイプロテインであるケースが多いです。
これは植物性タンパク質の方がなんとなく痩せそうなイメージであることから減量用とされています。
女性用プロテインと同様、ソイプロテインがその他のプロテインより痩せやすいといった科学的根拠は一切ありません。
増量用と称されているものはプロテインにマルトデキストリンが混ぜられているケースが多いです。
マルトデキストリンとは簡単に言えば「炭水化物の粉」です。要は炭水化物の粉が混じったプロテインで、筋肉をつきやすくする特別な成分が入っているわけではありません。
筋肥大させる上で、炭水化物の摂取は確かに重要ですが、プロテインと混合されたものを買う必要はありません。
マルトデキストリンは単体で買えばかなり安価ですし、炭水化物は食事からでも十分に摂取できると思います。
少し過激な言い方をすると、○○用と名の付くプロテインは情報弱者をカモにした商品であるケースが多いです。
何度も言いますが、プロテインを摂る目的はあくまで「タンパク質の摂取」です。
そこにあれこれ混ぜ込んだものを摂取する必要はありません。
「○○用」という名称だけでプロテインを選ばないよう注意してください。
プロテインの選び方
プロテインを選ぶときに検討する要素は次のとおりです。
- 味
- 価格
- 飲みやすさ
- 安全性(生産国)
- ホエイの種類
それぞれの要素について、詳しく解説していきます。
味
個人的にはこれが一番重要であると考えています。
いくら成分が良くても味が不味ければ飲み続けれません。
最近はどのメーカーのプロテインも美味しくなってきているので、飲めないほど不味いプロテインはないかと思いますが、商品によって甘さや味の癖などは様々ですので、実際に飲んでいる方の話や商品レビューなどを参考にして選ぶことをおすすめします。
価格
継続的に飲み続けるためには、価格面も非常に重要な要素です。
ひと昔前までは、国産のプロテインは高く、海外製の方が安価でしたが、最近では、国産のプロテインでもリーズナブルな商品が増えています。
価格が安いか高いかを判断する目安として、1kg4000円未満というのがひとつのボーダーラインになるかと思います。(WPCの場合)
これを上回る価格のものは明らかに割高です。(WPIやWPHであればもちろんこれより高くなります)
安いものですと1kg2000円を下回るものもありますので、できるだけコスパの高いものを選びましょう。
飲みやすさ
味とは別で、「飲みやすさ」もプロテインを評価するひとつの重要な要素です。飲みやすさというのは、要は「溶けやすさ」と「泡立ち」です。
せっかく味が美味しくても、溶けにくくダマになったり、泡が立ちすぎるプロテインは非常に飲みにくいです。
溶けやすく、なるべく泡が立たないプロテインが飲みやすいプロテインといえます。
ただし、「泡立ち」にだけ関していえば、泡立ちが少ないプロテインが必ずしも良いプロテインとは限りません。
泡立ちにくいプロテインは飲みやすいですが、泡が立たないように消泡剤といわれる成分が入っています。
プロテインは本来かなり泡立つものなので、この消泡剤を入れることで、泡立ちにくくし、飲みやすくしています。
消泡剤自体は人体に害がある成分ではありませんが、添加物にあたるものなので、言うならば”余計な成分”ということになります。
飲みやすさを重視するなら泡立ちが少ないプロテインを選んだ方がベターですが、泡立ちがそこまで気にならないという方は多少泡立つプロテインを選んでも問題ないでしょう。
安全性(生産国)
口に入れるものなので、できるだけ安心・安全な製品を選びたいですよね。
やはり海外メーカーの製品よりも、国内メーカーの方が安心です。
海外メーカーのサプリメントについて、本来、成分として含まれない成分が生産過程で混入していたという事例が数多く報告されています。
記憶に新しい事例でいえば、某海外サプリメントメーカーのプロテインバーに大量の虫が混入していたという事件もありました。
やはり海外製のサプリメントは安価な分、リスキーな側面もあります。
安心・安全な製品を選びたい方、ドーピングチェックのある競技をされている方はできるだけ国産の製品を選ぶことをおすすめします。
ホエイの種類
前項で説明したホエイの種類(WPC,WPIなど)もプロテインを選ぶうえで重要な要素です。
ホエイの種類を選ぶうえで最も重要なのは、飲む人が乳糖不耐性かどうかです。
乳糖不耐性とは、簡単に言えば、「牛乳でお腹の調子が悪くなるかならないか」ということです。牛乳を飲むとお腹にガスがたまったり、ゴロゴロしたり、下痢をしたりするのであれば乳糖不耐性です。
乳糖不耐性の場合、プロテインに含まれる乳糖が多ければ多いほど、おなかの調子が悪くなる可能性が高いです。(乳糖=乳製品由来の糖類)
乳糖の含まれる量は、WPC>WPI>WPHとなっており、WPCが最も多く乳糖を含んでいます。
ですので、乳糖不耐性の方はWPCは避けた方が無難です。
ただし、乳糖不耐性だからといって絶対にWPCを飲んではいけないわけではありません。
日本人の85%は乳糖不耐性であると言われていますが、ほとんどの人がWPCのプロテインを飲んでいるので、そこまで神経質になる必要はないかと思います。
まだプロテインを飲んだことがない方は、WPCを先に試してみて、おなかの調子が悪くなるようであればWPI、WPHのプロテインに変えていけばいいかと思います。
おすすめプロテイン5選
前項で解説したプロテインを選ぶ各要素を踏まえて、筆者がオススメするプロテインを5つご紹介いたします。
ビーレジェンド ホエイプロテイン
味 :★★★★★★★★★☆
価格 :★★★★★★★★☆☆
飲みやすさ :★★★★★★★☆☆☆
安全性 :★★★★★★★★★★
ホエイの種類:WPC
おすすめの味:めろめろメロン風味、情熱のパッションフルーツ風味
- フレーバーが非常に豊富でどれも美味しい
- 他のメーカーには少ないさっぱり系のフレーバーも豊富
- 日本ボディビルフィットネス連盟の公認商品なので安心安全
ビーレジェンドの魅力は何といってもその美味しさとフレーバーの豊富さ!価格もお手頃なのでプロテイン初心者の方にまず最初に勧めたいプロテインです。
エクスプロージョン ホエイプロテイン
味 :★★★★★★★★☆☆
価格 :★★★★★★★★★★
飲みやすさ :★★★★★★☆☆☆☆
安全性 :★★★★★★★★★★
ホエイの種類:WPC
- とにかく安くてコスパ抜群
- フレーバーが豊富で美味しい
- 冷たい水で溶かすと若干ダマになる
安い!とにかく安い!かといって不味くもなくしっかり美味しいプロテインです。コスパが高い分、内容量が3kgと大容量なので初めての方には少し多いかも。プロテインの消費量が多い方には一番おすすめしたい商品です。
Optimum Nutrition Gold Standard 100% Whey
味 :★★★★★★★★★☆
価格 :★★★★★★★★☆☆
飲みやすさ :★★★★★★★★★★
安全性 :★★★★★★★★☆☆
ホエイの種類:WPI
おすすめの味:ダブルリッチチョコレート、モカカプチーノ
- 世界的に有名なプロテインメーカー
- 高品質で美味しくコスパは高い
- GMP認定の自社工場で製造のため海外製だが安心安全
車ならTOYOTA!プロテインならオプチマム!といっても過言ではないくらい、海外では鉄板のプロテインメーカーです。美味しいのはもちろん、溶けやすさと泡立ちの少なさが抜群で非常に飲みやすいです。プロテインの純度も高く、高品質なのでおすすめです。
Dymatize Nutrition ISO 100 HYDROLYZED
味 :★★★★★★★★★★
価格 :★★★★★★★☆☆☆
飲みやすさ :★★★★★★★★★☆
安全性 :★★★★★★☆☆☆☆
ホエイの種類:WPIとWPHのブレンド
おすすめの味:グルメチョコレート
- 高純度のプロテインにもかかわらずリーズナブル
- フレーバーも豊富で非常に美味しい
- 溶けやすく泡立ちもないので飲みやすい
味が非常に美味しく、スイーツとして出されても気づかないレベルです。WPIとWPHのブレンドということで高純度なプロテインです。美味しくて高品質なプロテインが飲みたい方に、是非おすすめしたい商品です。
MPN ハイドロライズド・ホエイアイソレート
味 :★★★★★★★★☆☆
価格 :★★★★★★☆☆☆☆
飲みやすさ :★★★★★★★☆☆☆
安全性 :★★★★★★★★★★
ホエイの種類:WPH
おすすめの味:ブラッドオレンジ風味
- 100%WPHなので最も純度が高い製品
- 甘酸っぱい系のフレーバーで飲みやすい
- 消泡剤不使用なのでかなり泡立つ
100%WPHのプロテインということで成分の優秀さはダントツです。消化吸収が最も早く、乳糖除去率が高いので乳糖不耐性の方でも安心して飲めます。すべてのフレーバーが甘酸っぱい系なので、運動後に甘ったるいプロテインを飲みたくない方にも最適です。
まとめ
プロテインの種類と選び方について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
初心者の方は「どのプロテインが一番いいの?」と聞きがちですが、体質・好み・金銭面等、個人によって条件は様々ですので、「これが最強のプロテイン!」というのは一概に言えないんです。
まずは自分はどういうプロテインが適しているのかをしっかり把握することで、継続して飲み続けることができる自分に合ったプロテインに出会えると思います。
この記事の内容を是非参考にしてみてください。