サプリメント

NET CARBS?Sugar?プロテインバーの正しい糖質量

読者

プロテインバーとかに書かれているNET CARBSってどういう意味?

読者

どの項目を炭水化物量としてカウントするの?

読者

糖質と食物繊維の合計値がTotalCarbの量を違うのはなぜ?

こんな方に向けた記事です。

減量中でも食べられる美味しいお菓子であるプロテインバー。低糖質のイメージがあるプロテインバーですが、実際の糖質量を管理するうえで、栄養成分表示のどの項目を確認すればいいのかよくわかっていない方も多いかと思います。

今回は海外製品の糖質量の見方や栄養表示の落とし穴について、わかりやすく解説しています。

海外製品の糖質量の見方

海外食品の栄養成分表示の炭水化物に関する部分は次のように表示されています。

各項目の意味については下表のとおりです。

英語表記 日本語訳 備考
Total Carb 炭水化物 総炭水化物量(糖質+食物繊維+糖アルコール)
Dietary Fiber 食物繊維 ポリデキストロース、難消化デキストリンなど
Sugars 糖類 単糖類(ブドウ糖、果糖)、二糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖)
Includes Added Sugars 添加糖類 天然由来以外の糖分(砂糖やシロップなど)
Sugar Alcohols 糖アルコール エリスリトール、キシリトール、マルチトールなど

Total Carbの欄が炭水化物量にあたります。食品によっては、SugarAlcoholsがない場合がありますが、基本的にはこのような表記になっていると思います。

炭水化物=食物繊維+糖質+糖アルコールですので、Total Carbが全体の炭水化物量、他の項目がその内訳のようなイメージです。

各国の炭水化物の定義
炭水化物の定義については国によって異なる場合があります。日本、アメリカは食物繊維を炭水化物に含みますが、EU(ヨーロッパ)では食物繊維を炭水化物に含みません。マイプロテインなどのヨーロッパの製品の成分表示を確認する際は意識しましょう。

炭水化物の合計値が一致しない理由

炭水化物=糖質+食物繊維+糖アルコールとなるはずですが、ほとんどの成分表では合計値が一致していません。

この理由は「糖質」と「糖類」の違いにあります。

栄養成分表示に記載されているのは糖類と糖アルコールだけで、でんぷんなどの糖質量は記載されていません

図のグレーの部分は成分表示に量が記載されていないので、DietaryFiber+Sugars+SugarAlcoholsの合計がTotal Carbと一致しないんです。

ケトジェニックダイエット中は注意!

Sugar値が低いプロテインバーはケトジェニックダイエットでも食べられると思っている方も多いですが、これは大きな間違いです。

前項で解説した通り、Sugarは糖類だけの値なので、でんぷんなどの糖類以外の糖質は考慮されていません。

こちらのThinkのプロテインバーを見てみましょう。

Sugar0gと書いていますが…

  • TotalCarb(炭水化物)23g
  • DietaryFiber(食物繊維)1g
  • TotalSugar(糖類)0g
  • SugarAlcohol(糖アルコール)11g

栄養成分表示はこのようになっています。

炭水化物から食物繊維と糖類、糖アルコールを引くと11gとなります。つまり、このプロテインバーは11gのデンプン質の糖質を含んでいることになります。

ケトジェニックダイエット中にこの糖質量を数回摂ってしまえば、すぐにケトーシスから抜けてしまいます。プロテインバーのSugarの値にはでんぷん質の糖質が含まれていないということをしっかり覚えておきましょう。

NET CARBSってなに?

海外のプロテインバーなどのパッケージでNET CARBSという表記を見たことがあるのではないでしょうか?

NET CARBSとは実質糖質量のことで、総炭水化物量から食物繊維と糖アルコールの値を差し引いたものになります。

食物繊維や糖アルコールはカロリーを含まない(※)ので、この二つを総炭水化物量から差し引いたものが実質の糖質量になるという考え方です。

(※)糖アルコールの中でもカロリーを含むものもあります。

前項でも説明しましたが、Sugarは糖質量ではなく糖類の量です。糖質としての数値を見たい場合はこのNET CARBSを確認しましょう。

隠れ糖質に注意!

海外製品の場合、食物繊維に隠れ糖質が含まれている場合があります。

糖質のひとつであるオリゴ糖は人の腸ではそのまま消化・吸収できない「難消化性糖質」であるため、食物繊維としてカウントされている場合があります。

(出典:かわしま屋

オリゴ糖はかつてはノンカロリーといわれていましたが、近年の研究によってオリゴ糖は「短鎖脂肪酸」となり大腸から吸収され、エネルギー源になることがわかっています。

つまり、オリゴ糖にはしっかりカロリーがあるということです。

オリゴ糖のほとんどが難消化性であることから、通常の糖質と比較し、カロリーが低いのは確かですが、0kcalである食物繊維と同様の扱いにはなりません。

過去に「”イソマルトオリゴ糖”のカロリーがきちんと計上されていない」との内容で、プロテインバーメーカーとして有名なQuest Nutritionが集団訴訟を起こされています。(参考リンク

イソマルトオリゴ糖とは?
オリゴ糖の一種。他のオリゴ糖が難消化性なのに対して、イソマルトオリゴ糖は消化性の特徴を持っており、他のオリゴ糖と比べてカロリーが高く、1gあたり2.7~3.3kcalと推定されている。

このことから、実際の糖質量がNET CARBSより高くなる可能性があります。海外製品を利用する場合は隠れ糖質に注意しましょう。

どの項目をカーボ量にカウントすべき?

一般的なPFC管理をする場合は、NET CARBS(※)をカーボ量としてカウントする形で問題ありません。

(※)TotalCarb(炭水化物)ー DietaryFiber(食物繊維)ー SugarAlcohol(糖アルコール)

ただし、糖アルコールの中にはキシリトールやマルチトールといったカロリーを含む場合があるので、注意しましょう。

糖アルコール1gあたりの熱量
グリセリン4 kcal
キシリトール3 kcal
マルチトール2 kcal
エリスリトール0 kcal

糖アルコールの中で血糖値を上昇させず、カロリーも0なのは「エリスリトール」だけです。

糖アルコールのカロリーを総カロリーに含めたくないときや、ケトジェニックダイエット中などはエリスリトールを使用しましょう。

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まとめ

プロテインバーなどの海外製品の糖質量を確認したい場合は、Sugar値ではなく、NET CARBSを参照しましょう。

Sugar値は果糖や砂糖といった、単糖類や二糖類だけの量を表す数値となるので、糖質全体の量ではありません。

こういった情報は勘違いされている方が多く、「Sugar値が低いプロテインバーであればケトジェニックダイエット中でも食べれる」と間違った指導をしているトレーナーの話もよく耳にします。

自分自身のフィットネスリテラシーを高めて、正しい食事管理ができるようにしていきましょう。